インタビュー

ぬいぐるみ作家 北村日乃さんインタビュー

今回のインタビューは、イラストレーターのmaccoさんにご紹介いただいた、ぬいぐるみ作家の北村日乃さんです。ぬいぐるみ作家を始めたきっかけや作品づくりについてお話を伺いました。

ー北村さんはどのような制作活動をされていますか?

オリジナルのぬいぐるみを制作しています。
くま等の動物をモチーフにした作品を中心としていますが、最近では植物や食べ物など、幅広いテーマで制作しています。

ー最近の活動を教えてください。

ネット通販(Creema)を中心に、作品を販売しています。
全国各地でのイベントやPOPUP等の催しにも参加させていただいています。

最近では、ハイカラ雑貨店ナツメヒロ 企画展『変梃人形博覧会』参加、ニュースタア福岡店にてPOPUPを開催していただきました。

ーぬいぐるみ作家を目指したのはいつ頃ですか?

幼少期からぬいぐるみが好きで、物作りも大好きだったので漠然と「ぬいぐるみを作る人になりたい!」と考えていました。
ただ、現実的にぬいぐるみ作家を仕事にしていくことは難しいだろうという思いもあり、紆余曲折を経て、はっきりとぬいぐるみ作家を目指したのは就職してからだったかと思います。

ーきっかけは?

大学時代、機織りを専攻し、着物や帯を織っていました。
当時は織物に夢中で、ぬいぐるみのことを忘れかけていたのですが、たまたま立ち寄ったお店で『ケーセン』というメーカーのぬいぐるみに出会いました。

大学時代に出会ったケーセン社のぬいぐるみ

あまりの造形の美しさに感動し、ぬいぐるみも芸術作品になりうると気付き、織物の技法でぬいぐるみを制作することに挑戦しました。

その後、大学を卒業してある会社の企画課に入ったのですが、日々の仕事をこなすことに精一杯で、自分の作品にまで手が回らない期間が続きました。
そんな中で、作りたいものがとめどなく浮かんできて、これを形にせずに生きていくのか?とふと疑問に思いました。

「失敗してでも一度挑戦してみよう」と結論を出したあたりで、いろいろな事情が重なって会社を辞めることになり、作家活動にスライドしていきました。

ー作品を作る上で気をつけている事、意識している事はありますか?

おしゃべりなぬいぐるみを作りたいと思っています。
作品がどのような性格になるかは偶然に任せているため、ハキハキ喋る子、もじもじ喋る子とさまざまですが『手にしたときに話しかけてくるような表情豊かな作品』を目指しています。
そのため、目玉を縫い付けたり顔の刺繍をするときは納得がいくまで何度でも作り直します。

ー印象に残っている作品はありますか?

現在の作風である、顔のパーツを寄せたような作品の第一弾『こそ坊』です。

顔のパーツを寄せた作風 第一弾作品『こそ坊』

作家活動をはじめてしばらくは、少しリアルなテイストのぬいぐるみを制作していました。

1年ほどリアルな作風が続き、なんとなく行き詰まっていたとき、東ドイツ時代のぬいぐるみに出会いました。

現在の作風になるきっかけをくれた東ドイツ時代のぬいぐるみ

その独特な表情に惹かれ、似せたものを作ってみたことがはじまりです。
表情やフォルム、細部まで自分好みに寄せていき、現在の作風になりました。

ー作品ができるまでの流れを教えていただけますか?

  1. 作りたいものをラフスケッチし、試行錯誤しつつ型紙を制作します。
  2. 型紙を生地にうつし、裁断後、縫いあわせます。
  3. 縫い合わせたものを表に返し、わたを詰め、刺繍や表情を付けて完成です。

ーネット販売は始めたのはいつからですか?

作家活動をはじめてすぐに、あまり深く考えずいくつかのハンドメイド販売サイトに登録しました。
複数で販売する中で、たくさん反応を頂けたcreemaに絞り、今に至ります。

販売開始時はなかなか反応がなく、とにかくいろいろな人に知ってもらおうと、作家活動をはじめてから1年間は毎月どこかのイベントに出ることを目標にしました。
売れたり売れなかったりを繰り返しましたが、イベントのあとに反応があったり、SNSのフォロワー数が顕著に増加したりしました

当時はアルバイトをしつつ制作していたためなかなか大変でしたが、とても貴重で楽しい時期でした。

ー印刷通販サイトを利用することはありますか?

ショップカードや、作品に同梱するポストカードなどを作る際に利用しています。
できるだけ季節に合わせたポストカードを作るようにしています。

ー今後やってみたい仕事はありますか?

本が大好きなので、装丁に私の作品が使われたら嬉しいです。
もしくは、企業のイメージキャラクターを私のテイストのぬいぐるみで制作するとか・・・。
具体的ではありませんが、街角で目にするようなところに使っていただけたら楽しいと思います。

ー現在のコロナ禍において、活動の変化があれば教えてください。

制作自体にあまり変化はありませんが、参加予定だったイベントが中止になったり、遠方のイベントに行きづらくなりました。
対面販売をする際には、顔馴染みのお客様がいたり、以前お迎えいただいだ作品を連れてきて下さったり、特別な嬉しさがあったので寂しく思います。
状況が落ち着けば再開したいと思います。

ー今後挑戦したい事がありましたら教えてください。

ぬいぐるみの枠を越えて、自由に制作していきたいです。
とにかく糸や布という素材、手を動かして作ることが好きなので、ぬいぐるみにこだわらなくてもいいのでは?と思い始めています。

具体的には、大学で専攻していた織物や、趣味として取り組んでいる編物です。
現在はぬいぐるみというテーマから、どうしても『可愛らしさ』がメインとなっていますが、自分の深い部分にまで掘り下げるような作品づくりを、ひとつに限らない技法で挑戦していきたいと思っています。


北村日乃/ぬいぐるみ作家

ぬいぐるみの制作・販売をしています。
すべて型紙から製作し、手縫いで仕上げています。
東ドイツ時代のくまのぬいぐるみに影響を受け、
顔のパーツがぎゅっと下に寄った動物を制作しています。

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https://www.creema.jp/c/kano0830

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ベストプリントスタッフ

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