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【対談】Be Freelance「私の起業ストーリー」

今回のBe Freelanceは、バリーズ株式会社代表CEO野々村菜美さんをお迎えして、「私の起業ストーリー」というテーマでご自身の起業にまつわるお話を伺いました。会社員からいきなり起業されたという野々村菜美さん、そして、今年の8月に見事フリーランスWebデザイナーから起業されたというmikimikiさん、お二人は、なんと高校の同級生。それぞれのこれまでのキャリアや大切にされている考え方などをベースに、これから何か始めたい人、やりたいけれどちょっと勇気が必要な人に向けて、幅広い内容で対談をしていただきました。将来的に起業を視野に入れて活動されている方も、今はまだ起業をする予定がない方にとっても、たくさんの方にハッとする気づきをもたらす内容ではないかと思います!それでは、お楽しみください。

自己紹介

 

野々村菜美(ののむら・なみ)バリーズ株式会社代表CEO。2014年12月に「TabiMUSE」というメディアをきっかけに起業。旅を愛するすべての女性たちへ、ガイドブックには載っていないオシャレでツウな情報をテーマに、実体験をもとにした信頼性の高い情報と魅力的な写真で、多くの旅行好き女性から支持されるメディアへと成長させる。各国政府観光局、航空会社、ホテルなどのミレニアル女性向けプロモーション、旅行業界中心のメディア運営、SNS運用、プロモーション企画、コンサルティングなど旅を主軸に事業を多角展開している。現在は新型コロナウイルスで甚大な影響を受ける旅行需要の復活に向けて尽力している。

著書・メディア掲載
◆2020年1月『これが私の生きる道! 彼女がたどり着いた、愛すべき仕事たち』/世界文化社
◆2017年9月『MY TRAVEL RECIPE 私らしい旅のつくり方 (美人時間ブック)』/光文社
* TabiMUSE  http://tabi-muse.com/
* TabiMUSE Instagram  https://www.instagram.com/tabimuse/

扇田美紀(おうぎだ・みき)
旅するフリーランスWebデザイナーとして活動。2020年に株式会社 Ririan&Co.を設立。
企業・個人向けにWebデザイン・Webマーケティングについてアドバイスやコンサルティングを行う。Webデザインを中心に発信する自身のYouTubeチャンネル「mikimiki webスクール」は、2020年1月時点で登録者3万人を突破する大人気チャンネルに!

第1章 起業ストーリー

【プロモーション】

mikimiki(以下、miki) 菜美さん、本日はよろしくお願いします!

野々村菜美(以下、菜美) はい、お願いします!

Q. なぜ起業しようと思ったのか?

miki 早速ですが、なぜ起業をしようと思ったのかについて教えていただけますか?

菜美 はい、起業したい、経営者になりたい、という思いは当時は正直ありませんでしたね。もともとは、TabiMUSE」というメディアがあれば、世の中の旅する女性たちが便利になるのでは?というところからスタートして、事業ありきで必然的に起業することになりました。このサービスをつくりたいという気持ち、それを叶えるためのひとつの手段として、会社をつくったという感じです。

miki そうなんですね。普通だったら、いきなり起業ではなくて、サービスサイトを作ろうか、とか開業届を提出してフリーランスになろうか、とかを思うと思うんですが、そこを飛び越えて、なぜ会社をつくろうと思ったのですか?

菜美 当時は、自分の中に選択肢がそれしかなかったというか、具体的な方法を知らなかったんです。周囲の経営者に事業の相談を持ちかけて、具体的にどうやったら、自分のやりたいことを実現できるかを尋ねた際に、まずは法人化をすすめられた、ということもありますね。起業することに憧れがあった訳ではなくて、あくまで、ひとつのステップ、手段として捉えていたので、何か自分の中で大きな決断をした感覚やすごい意気込みがあった訳では全くないんです。

miki なるほど。やはり、環境要因は大きいですよね。誰と出会うかで人生は大きく変わってきますし、周りに起業家が多ければ、起業のビジョンが、フリーランスが多ければ、フリーランスでやって行こうか、という選択肢が必然的に見えてきますよね。

菜美 そうですね。自分の置かれている環境だったり、あとは誰に相談するのか、ということもとても重要だと思います。

miki ちなみに、菜美さんは女性起業家の方に相談されたんですか?

菜美 いえ、女性起業家の人たちは、追々知り合っていきました。最初のうちは、出会い系サイトで男性経営者の方を探して、自分からコンタクトを取ってお会いしていきました。今から思えば、相当アグレッシブですね…。焼肉を御馳走になりながら、会った瞬間に「私こういうサービスをやりたいんですけど、どう思いますか?」と相談していました。

miki 経営者の方の反応はどうでしたか?

菜美 意外とやさしかったです。経営者の方は、何か志を持っている人に対してすごく温かかったですね。自分の事業プランを説明すると、「それならこの人を紹介してあげるよ」と言ってくれた人もいました。

miki 菜美さんは、そこで仕事のパートナーやつながりを求めていたんですね。

菜美 そうですね。そこで出会った人からの影響を大きく受けていて、今でもお付き合いがある人がいます。今でこそ、もともとインフルエンサーさんや経営者さんとのつながりやネットワークがあったと思われがちなのですが、それまでは、普通の会社員をしていたので、そういった人脈は全くなかったんです。あったのは、このサービスをつくりたいという強い気持ちだけでした。でも、当時から自分だけの実力だけではむずかしいことは分かっていたので、とにかくいろんな人たちにいろんなことを教えてもらいたいと思って行動していました人間本気になれば、いろんなアイデアでアクションを起こせます。今は到底無理で出来ないですけどね(笑)

miki そうですね。何かやりたいと思うときのエネルギーはすごいですね。でも、菜美さんのすごいところは、人の力を素直に借りよう、と思えるところだと思うんです。自分の苦手なところが分かっているので、その部分については誰かできる人を探していこうという視点がありますよね。なんでも自分でやろうとするんじゃなくて、できる人をまず探そうとするところです。私は、真逆でまず自分でできるように、調べたりしてしまいます。

菜美 そうですね。効率を重視するというか、苦手なことを克服する時間があったら、自分の得意なことに時間を使いたいと思うタイプですね。

miki なるほど。でも、今の時代にはそっちの方が合っていると思いますね。

菜美 行動で人は変わると思います。今は、とても出来ないです。

miki やっぱり、熱いエネルギーって何か走らせるものがありますよね。夢中になって、やろう!とかエネルギーがある時にしっかり走って行こう!という気持ちと、今やりたいんだ!というタイミングも大切ですよね。

Q. 起業のアイデアはどのように思いついたのか?

菜美 もともと海外旅行が趣味でよく行っていたので、アイデアはそこからの延長線上ですね。でも正直、海外旅行へ行く度に旅行のプランニングが面倒くさいと感じていました。

当時は、インスタではなく、ブログが主流だったので、自分の趣味嗜好に合うブロガーさんを見つけては参考にしていました。この人の旅のスタイルが好きだな、というところから、例えば自分がハワイに行く時なら、この人はどこへ行ったんだ?というところを調べてプランニングしていたんですが、すっごく面倒くさくて。

miki いろんなサイトを検索してとりあえず拾っていく作業は大変ですよね。情報も新しいのか、古いのか分からないですしね。

菜美 そうですね。同じ「ハワイ」でも、人によって過ごし方も違いますし。観光がメインの人もいれば、ホテルでのんびりしたい人もいます。つまり、自分のスタイルに合う人を見つけるのが、すごく面倒くさかったんです。

そこで、「旅」というカテゴリーで一箇所に集まって届けるサービスをつくってはどうかと思ったんです。信頼できる情報を届けてくれる女性がデスティネーション軸(国)ではなくて、いろんな旅のスタイルで発信し、旅の目的や過ごし方で旅の魅力やここに行ってみようかな、という発見ができるような場所があったらいいなと思い、「TabiMUSE」というメディアを思いつきました。当時よく言っていたイメージとしては、食べログの旅バージョンがあればいいな、と。

miki なるほど。今でこそ、お洒落なインスタグラムの旅系アカウントはありますが、当時はなかったですもんね。本当に、自分にぴったりの発信を探すのが大変でしたよね。

菜美 そうなんです。ガイドブックは画一的だったので、お洒落な旅をしている人たちの真似ができて、参考になるメディアがあればいいな、とずっと頭の片隅で思っていましたが、それをどう形にしていくかについては、結構時間をかけてやっていきました。

miki なるほど、起業のアイデアやスタートはこういうのがあったらいいな、というところがスタートだったんですね。

菜美 そうですね。自分が普段過ごしていて当たり前に不便なもの。当たり前すぎて、その不便さも慣れてしまっているものにヒントがある気がします。

Q. 今から起業するならどの分野が良いか?

miki よく起業のアイデアの見つけ方がむずかしい、と相談をいただくのですが、菜美さんが今から起業するならどの分野がいいと思われますか?

菜美 正直「分かりません…」としか言いようがないですね。

miki そうですよね(笑)やってみないと分からないですもんね。

菜美 週刊東洋経済Plusに「すごいベンチャー100というコーナーがあるのですが、そこに世の中で注目されているありとあらゆるベンチャー企業が載っています。もうとにかくすごいんですよ。環境問題やFinTechなどありとあらゆる注目されているベンチャー企業が取り上げられています。それを我々がやろうと思って出来るんだったら、多分、何の分野がいいか?という質問は出てこないと思うんです。何をやったらいいかと聞く人たちは、最先端のテクノロジーとか今注目されてるところに飛び込むみたいなタイプではないと思うんですよ。

miki なるほど。それを聞きたいってことは、どちらかと言えば、あまりリスクのない安心・安全性の高いビジネスがいいと思っているってことですもんね。

菜美 今、世の中で注目されているような巨額の投資金を集めてきて、右肩上がりの急カーブを描けるような企業を起こせる人って、本当にもうこれしかない、というくらいの強いエネルギーでやっている人が多いので選択肢がないんですよね。何がいいか?と質問してくる人は、選択肢がある前提で聞いているから、そういう質問をするのではないか、と思います。あくまで想定ですが、最先端とかトレンドとかを追い求めていくようなタイプではないと思います。そういう部分を汲み取れる人は、もうすでに着手しているんです。何がいいですか?と聞く人こそ、自分の得意なことだったりとか、日常生活で困っていることに目を向けて行った方がいいかと思います。

Q. もし「TabiMUSE」がなかったら、今から何をはじめる?

菜美 旅に限らず、メディアはもうやらないと思いますね。めちゃくちゃ忙しくて労力がかかりますから。大変な分、良い事としては参入障壁が高いので、他からの参入があまりないことが強みなんですけどね。すごいパワーとエネルギー、時間と情熱といろんなものが必要になってきます。6年前の自分だからこそ、出来たというのはありますね。今はもう作れません(笑)

miki 営業とかはどうですか?菜美さんは、アイデア出しや仕事をつくっていくのが得意ですもんね。

菜美 確かに得意としている部分ではありますが、それをするために会社を起こしたりはしないと思います。今やるなら、メンタルヘルス系とかですかね。

miki スピリチュアルやクリスタル、浄化とかお好きですもんね!

菜美 日本はまだその辺が海外に比べて少ないので、旅以外で起業するなら、癒しやヒーリング系など心の健康に関わることを目指すと思います。

miki なるほど。目に見えないところなので、難しい部分ではあるとは思うのですが、大切であることに変わりはないですよね。今、女性の間でも、浄化やスピリチュアル系の方が増えてきていますね。

菜美 そうですね。でも、かなりスピリチュアル色が強い印象を受けます。見せ方をもっとお洒落にクリエイティブにライフスタイルに自然と落とし込めるようにできればいいと思うんです。

miki たしかに。目に見えないものだからこそ、ちょっと抵抗がある方も多いと思うんです。

菜美 その点、同じスピリチュアル系でも、海外のECサイトはめちゃくちゃお洒落ですね。日本は、黒や紫、占い師を彷彿とさせる宗教臭いイメージがあるように感じるので、もっとやりようがあると感じます。どんな分野でも、”もっと、やりようがある”という改善ポイントや視点を持つことは重要だと思っています。

miki そうですね。ヨガも10年前は、ちょっと胡散臭いイメージがありましたが、今では、ナチュラルに生活の中にあるものに変わりましたよね。すでに、出来上がってしまった、つまり成熟しつつある業界でこれからやっていこうとするのは大変ですが、敢えて「ん?」と違和感を覚える頃に何かを始めるのは良いことかもしれませんね。

菜美 タイミングが大事ですね。

第2章 コロナで旅行業界は大打撃

コロナの事業への影響

miki コロナで旅行業界は大変だと思いますが、菜美さんの会社の方はどうですか?

菜美 もう、本当にうちの会社は大打撃ですね。今年は、過去最高に海外へ行く年だと思っていた矢先にコロナが打ち当たりまして、決まっていた案件も無くなったりしてしまいました。本当に、会社が潰れるんじゃないか、くらいに思っていました。

でも、そこは、気持ちを切り替えてやっていこうと思いました。これまでは、TabiMUSEというメディアは、海外旅行つまりアウトバウンドをメインでやってきましたが、徐々にこれまでの私たちの知見を生かして、国内旅行にシフトしつつあります。TabiMUSEというメディアは守りながらも、ちゃんと売り上げを上げていかないといけないので、地方自治体、国内の旅行事業者向けに女性向けの施策のプロモーションのお手伝いやウェディングなどの提案をし続けて、最近ようやくそれが仕事になってきました。

miki なるほど。今自分たちが出来るところで軸を探して、自分たちの強みを生かしてシフトチェンジしているんですね。コロナで大変だった人も多いかと思いますが、ピンチの時に、どうあるかが大切ですよね。

Q. この危機をどう乗り切るのか?

菜美 正直、2日ほどかなり落ち込んだのですが、落ち込むのも飽きるので…。外を見回せば、大変なのはうちだけじゃなくて、みんな大変なので、落ち込んでいても仕方がないなと。逆に、うちの社員たちの方が、これをどう乗り越えるのか、ということで結構前のめりで施策を考えてたりしてくれていました。その姿勢がとてもたくましく感じて、背中を押してもらいました。

miki 切り替えがやっぱり早いですね。

菜美 そうですね。ベンチャー企業ということもあって、早く切り替えが出来ました。ベンチャーの良いところは、やはり小回りが効くところですね。3月のコロナが本格的に猛威を奮い出したあたりから、社員を含めてどういう方向へ舵をきっていこうかという方向性を決めて乗り切れる準備をしました。

第3章 経営者として

経営者として大切にしている考え方

miki トップに立つ人は、ワンマンになりがちなので、そうなると下の人は意見を言いづらくなってしまいますが、日頃からコミュニケーションがとれているからこそ、信じたり、任せたりできる環境があるのは、とてもいいことだと思います。それによって、各自の自主性が育って、困難な状況、ピンチな時にどう乗り越えて行こうか、と考えていきますもんね。

菜美 そうですね。

miki フリーランスだとどうしても一人で完結してしまう分、自分がやった方が早いという考えに至り、任せることが億劫になってしまいます。誰かと一緒にお仕事する、任せて信じるということは、正直難しいと思うんです。

菜美さんは、人を使うのがうまいと感じるのですが、それは無意識でやっているのですか?それとも、意識的にやっていますか?

菜美 私が全然完璧ではないので、社員もそれを分かってくれて、自分の苦手な部分を補ってくれるように、動いてくれています。だから、私は「ここは、苦手だけど、ここは得意!」というところをさらけ出しているので、社員とは、得意不得意を共有できています。

miki へぇ〜、自分の強み、弱みをきちんと分かっているんですね!それは、何か表とかにまとめて共有しているんですか?

菜美 例えば、ひとつの案件を受けるとなった際に、「私はここは得意だから、あなたはここをお願い!」など社員と役割分担をしています。あとは、あまり、その過程で口出しはせず、任せたら、信じてやり切ってもらうようにしています。

miki なるほど。そうですね。信じたら、口出しはしない方がいいですよね。フリーランスにしても、起業をするにしても、仕事を大きくしていこうと思ったら、誰かとチームを組んでやっていかないといけないと思うんです。そのために、自分の得意・不得意をきちんと知ることが大切になってくると思います。

菜美 そうですね。それが分からないと人も雇えないと思うんです。自分の得意なところができる人を雇っても、それはあまりいい反応を生まないと思います。会社にして、社員を雇う最大のメリットは、自分の苦手なところを補ってくれる人をチームにジョインさせることができることだと思います。そのための前提として、自分の得意・不得意を知ることが大切です。

経営者として、まず身につけること

菜美 経営者としてのあり方は後からついてくるものなので、それよりも経営者としての基本、最低限の仕事として売り上げをつくることが大切だと思います。あらゆることを機能させるために、まず売り上げがないと何も進まないので。

私も起業してから、最初の4年は必要に応じて業務委託でお願いする以外は一人でやっていました。まずは、自分一人と業務委託の方にお支払いできるだけの売り上げを作ることを目標に計画を立てて動いていましたね。これ以上はチームを作らないと無理、という限界までは一人でやっていた感じです。だから、法人化したからといって、すぐに人を雇わないといけないという思考はなくていいと思います。

Q. どういう人に正社員をお願いしたいか?選ばれる人になるための秘訣は?

菜美 「私はこうなっていきたい」「私はこう思います」という軸があって、自分の意見を自分の言葉で語れる人が好きですね。「んー、そうですね。今は分からないです」みたいな曖昧な回答をする人は、うちの社員にはいないです。

miki そうですね。「自分はこう思います」という感じで結構、皆さんハッキリ意見を言える人が多いですよね。

以前は、どちらかというとお願いしたことを完璧にしてくれる人が求められていた印象を受けましたが、今は、求められる人材が変わってきましたよね。具体的にいうと、求められていることのさらに上をいく、1を言ったら10を悟るような人が評価されているように感じます。

自分が何をできるかを明確にして、成果を可視化できるような存在、「私はここでこういったことで貢献できます」「こういったことを提案・提供できます」といったようなことがハッキリと言えて行動していけるような人が重宝されていくのではないか、と思います。

菜美 そうですね。「この会社で、こうなりたい」など自分の欲求を満たす系ではなく、自分を採用することで会社にこういったメリットがある、と明確なベネフィットを提示できる人、「私は、こういうことに貢献できる、お役立ちできる」と言える人が強いと思います。

miki たしかにそうですね。

菜美 面接でも、そこに焦点をおいて面接を受けにくる人がいますね。会社のHPや私のブログやインスタグラムから、この会社はこういう思いで、こういう事業をやっているということを汲み取って、自分のこれまでのキャリアを生かして、私はこういうところに貢献できます、ということを自分の言葉で箇条書きにして伝える工夫をされたりします。

miki すごいですね!もう、その方は採用でしょう。

菜美 フリーランスの人は、自分が商品な訳じゃないですか。自分がこれまでやってきた過去の実績を踏まえて、どのようにして御社に貢献できるかを伝えていかないといけない。それがあるのとないのとでは、差がつくと思います。

miki そうですね。やはり、人は期待以上のことをされると心が動くものだと思います。

社員育成で意識していること

菜美 今回のコロナのこともあって、社員一人ひとりと面談をしたり、ランチに行ったりして一人あたりトータルで3時間くらいかけて向き合いました。そこで、今会社に対して、思っている事や、私や他のメンバーに対して思っていること、これからどうなっていきたいかという未来の話を聞き出しました。社員の中には、ベンチャーにもかかわらず、リスクをとって前職で働いていた大きい企業を手放して、うちの会社に入ってくれた人もいるので、ジョインしてくれた以上は、他の会社では味わえないことを経験してほしい、という思いがあります。仮にうちの会社を去ることになっても、他の会社が欲しいという人材に育っていってほしいですね。

miki なるほど。

菜美 そういった思いから、彼女たちがどういう風に成長していきたいか、のところを掘り下げて聞きます。その上で、会社としてやって欲しいことをすり合わせていきます。

miki やはり、コミュニケーションは人間関係を築いていく上で、とても大切ですよね。

菜美 今回改めて思ったことは、話し合うことで、社員が実はそういうことを思っていたんだ、という気づきがたくさんありました。社員一人一人のことをより深く知れた気がしましたね。知ることでよりいっそう愛情も湧くし、お互い心も開けるし、聞いた上で、この人のキャリアにうちの会社としてどう貢献できるのか、というところも考えることができました。そこから、じゃあ、そのために、どういう風に働いていこうか、ということを一人ひとりと決めて、みんなの目標設定を共有しました。「Aさんは、○月まで✖️✖️という目標に向かって走っていきますよ」といったようにです。うちは、チームの結束を大切にしているので、みんなでそれを補って、みんなで目標達成できるようにしていこう、という意識を高めました。

miki みんなの目標を共有するのは、チーム感があっていいですね!

菜美 今までは、結構バラバラだったんです。やっぱりちゃんと向き合うには、それなりに時間と労力がかかりますが、自分が心を開けば、向こうも開いてくれるし、よりお互いを好きになっていくと思っています。

miki そうやって、寄り添ったりできることは女性ならではなの細やかさ、だと思いますね。

第4章 フリーランスと起業の違いについて

Q. フリーランスと起業の違いは?(スキル・マインドセット)

miki 私事なのですが、最近フリーランスから起業しました。今回のテーマにピッタリだったなと思っています。今は、一人ですが、将来的にチームにしていきたいので、効率よく任せることは苦手なんですが、意識していこうと思います。

菜美 おめでとうございます!mikiさんは、面倒見がいいので、マネジメントが向いていると思います。

miki そうですかね。良いチームのつくり方については、今日しっかりと聞きたかったポイントでもあります。菜美さんが考えるフリーランスと起業の違いはなんだと思いますか?

菜美 個人的に、フリーランスの人は軸が”自分”に向いている人だと思います。時間や場所にとらわれない働き方がしたい、など、そのための手段として、会社員ではなく、フリーランスを選んでいると周りを見ていて思います。

miki そうですね。私もそうでした。

菜美 逆に、起業する人は、軸が自分ではなく、社会的課題を解決したい、など目線が社会に向いている印象を受けます。私の場合、TabiMUSEというメディアがあれば、世の中の旅する女性たちの旅がもっとお洒落にラクになる、という想いがあったので、自分よりも世の中にそういったサービスを届けたいと思ってつくりました。これは、どっちがいいとか正しいとかの話ではなくて、どっちが自分に合っているかだと思います。私は自分のためだけには頑張れないタイプの人間なので、フリーランスは向いていないと思います。

miki なるほど。私は、高校時代から菜美さんをよく知っているので、菜美さんが自分のためだけに頑張れない、というのはよく理解できます。誰かのために、これを届けたい、という想いがエネルギーとなって頑張れるタイプの方ですもんね。要は、向き不向きよりも 、自分自身がどっちに合うかですね。

菜美 だから、自分を知ることが一番大切なんですよ。

miki あ〜、そこにつながりますか!

起業家とフリーランスの思考法の違い

菜美 フリーランスなるにしても、起業するにしても意味は独立することです。その後に、事業をどのくらいの規模にまで拡大したいのか、という点が大きく関わってくると思います。例えば、自分が食べていけるだけでいいのであれば、フリーランスでいいですが、やるからには、年商1億などを目指してやっていきたいと思っているなら、一人ではなかなかその額は稼げないので、法人化して、その数字を達成できる社員を雇うことをすすめます。達成したい目標によって、やり方が全然変わってくると思います。

miki なるほど。スタートの違いとあとは、自分がどこを目指したいか、ですよね。

私も二十代後半から、フリーランス(個人事業主)という形でスタートしました。最初は、本当に自分軸で動いていたので、自分の自由な「時間」と「場所」の確保、好きな収入があればよかったのですが、やっていくうちに少しずつ気持ちの変化がありました。いろんなお客様といろんな人と話をしていくうえで、もっとこういうのがあってもいいな、とか私自身もこういう風になっていきたいな、というように気持ちが変化していきました。そして、大きいことをやりたいなら、起業するのがいいのかな、というように自然となっていきました。

最初は、フリーランスがぴったりでも、そうやってちょっとずつマインドが変わっていったことによって、必要であれば起業するという風に変わっていく、ということですよね。

菜美 そうですね。逆のパターンとして法人化して、やっぱりフリーランスになろうという人もいると思います。結局は、自分の性格とどこまでの規模感でやりたいのか、という点が判断材料になってくると思います。

miki やっていくとちょっとずつ、規模は大きくなっていきますよね。

菜美 まぁ、それが理想ですよね。あとは、責任感の問題もあると思います。

法人化して、人を雇用することは、たとえるなら、結婚と一緒、だと私は思っています。私の尊敬している女性起業家の方が「雇いたい人がいたら、その人に3億円払えるか」という目線で考えなさい、と言っていました。金額は、ひとりの社員に生涯でお支払いする金額が3億円くらいだから、それだけの大金を払ってまで一緒にお仕事をしたいか、という目線で考えなさいというメッセージが込められているのですが、それ以来、毎回面接のたびに自分の中で言い聞かせている一言です。自分一人で会社をやっているのではないという責任感ですね。

miki なるほど。

菜美 あとは、自分の中で小さな経済を回している感覚がありますね。社会的な存在意義だったりを感じていて、それが、結局自分のモチベーションになっています。

miki 菜美さんは、考え方がどっしりしているんですよね。女性なんですけど、従業員を支えたい、とか、最後まで面倒をみたい、など仕事の話をしている時は、男性に見えるんですよね。

菜美 元々は、こんなタイプじゃなかったんです。私も支えてもらいたいタイプですよ(笑)

miki でも、すごくいい成長ですよね。経営者としてリスペクトします。

Q. 起業の資金はいくらだったのか?

菜美 何か数値的な根拠があった訳ではありませんが、自己資金は100万円でスタートしました。個人的には、50〜100万円で十分だと思います。法人化は誰でもできますが、手続きが面倒なだけですね。それが、面倒な人は、10〜15万円くらい支払えば、然るべきところが代行してくれます。

miki そうですね。資本金は、1円からでも出来ますが、やはり銀行口座をつくったり、信用を得たりするためにも、50〜100万円はあった方が良いと思います。私も、起業に必要な手続きは、外注しました。やっぱり、マインドとして、自分で全部やろうとせずに、任せるところはお金を払って任せて、自分は、自分の業務に集中すべきですよね。

菜美 そうですね。あと起業する、フリーランスになること、をゴールにしている人が多い印象を受けますが、そこがゴールではないです。みんな、なかなか3年継続するプランは立てていないと思うんですよね。本来は、そこに意識を向けるべきだと私は思います。私も、最初の頃は、全くマネタイズ(収益化)のことを考えられていなかったんですが、そこがかなり重要なポイントので、まずは自分一人でやっていくための売り上げの基盤をつくりました。

会社にする= 将来的には、社員を雇って、チームをつくって組織化することが目標なので、自分がいなくても、機能するような組織をつくることをゴールにする人も多いと思います。

Q.事業計画書はいらない?

miki 自分で事業計画書などはつくっていたのですか?

菜美 はい、一応事業計画書をつくっていたんですが、どれだけ計画を立てて準備しても、今回のコロナのように計画通りに進まないことの方が多いので、今はつくるなという意見をスタートアップ企業界隈では結構耳にしますね。なので、今は、敢えてつくることに労力と時間をかけていないですね。社員のモチベーションや意思統一のためには必要なので、その年の目標は必要ですが、3箇年、5箇年計画は正直いらないと思います。

miki なるほど。世間で正しいとされていることの逆をいく感じですね。面白いです。たしかに、その時になってみないと何やっているか分からないから、あまり先のことは考えても仕方がないですよね。

Q. 起業当初、マネタイズ(収益化)のことはどこまで考えていたのか?

菜美 ほぼほぼ、考えていなかったです。メディアを作って、PVが上がれば資金が得られる、くらいにしか考えていなかったです。その分、最初のマネタイズは大変でした。

miki 最初、何もないところからスタートするのは、大変ですよね。でも、勢いとエネルギーがあったんですね。

菜美 自分の反省を元に言いますが、正直、おすすめはしないです。

私の知り合いに、3年前に会社員からフリーランスに独立した女性がいて、彼女のフリーランスのなり方がとても理想的だと感じています。元々、正社員で働いていた会社を辞めると言ったときに、会社が彼女にそれでも仕事をお願いしたいから、業務委託というカタチでそのまま仕事を発注してくれているんです。

miki 理想ですね。

菜美 それが理想だし、そういう人がフリーランスでも成功できるんだと思います。だから、フリーランスになった時に、今の会社が業務委託してくれたり、今お付き合いのあるクライアントがそのまま顧客になりうる可能性があることを生かすためにも、今目の前のことを頑張った方がいいと思います。

miki そうですね。今頑張っていることを見てくれている人は、この人ちゃんと頑張れる人なんだ、ということが分かって、こういう人にお願いしたいと思ってくれると思うんです。特に、フリーランスは、この人にお願いしたい、と思ってもらうことが大切になってくるので。「どんな環境でも、どんなお仕事でも一生懸命頑張るのが大切だ」って半沢直樹も言っていました(笑)

Q. 業務委託から社員雇用へと切り替えたタイミング・理由は?

菜美 業務委託は、案件ベースなので、具体的なプロジェクトでの案件ベースなら委託するのはアリですが、具体的に、案件が決まっていない段階での委託はむずかしいと思うので、やり方によりますね。例えば、「うちの会社のPR業務をお願いします」「記事を○本書いてください」「ストーリーを○本あげてください」みたいな感じでやることが明確に決まっていれば問題ないと思います。

あと、業務委託のフリーランスの人は、優秀な人が多いので、そういう方は、なかなか社員にはなられないです。そういった方に、週何回と決めて来てもらうことはむずかしいです。

miki なるほど。やることが明確でないと業務委託はむずかしいということですね。

菜美 そうですね。正直、それ以外で定期的に来てもらうとなると、成果物が見えづらいので、こちらとしても雇いづらいんです。あとは、会社の基盤ができていればいいのですが、そうでない場合は、意思疎通がむずかしくなってきてしまいます。

miki つまり、時差が生じてしまうということですね。

菜美 そうですね。会社のやりたい事やミッションを本当に自分のフルの時間を使ってやってくれるとなると、気持ち的にはやる気があっても、なかなか業務委託というカタチではむずかしいのかなと思います。

Q. 女性起業家は男性と比較して少ないが、メリットデメリットは?

菜美 以前よりは、だいぶ増えたと思うので、それほど性別で気になることはないですね。ちなみに、うちは2回増資の資金調達をしているんですが、そういう時にわたし一人で行くよりは、隣にそれっぽい男性を置いておく方が、理解度はあると思いますね。

miki そうですね。隣にいてくれることによって信頼感というか頼り甲斐が増しますよね。

第5章 視聴者の皆さんからの質問&回答

Q. 自分の好きを知るために、やっていることはありますか?

菜美 いろんな職種の人に、幅広く会って情報交換はするようにしています。エネルギーのある人と会うと、モチベーションも引き上げられますし、対等に話ができるように自分も頑張ろうと思えますし、新鮮な情報がもらえます。会社を経営していると、自分の想いが強くなりすぎて視野が狭くなるので、そういうのを客観的に見てもらえる人に意見をもらうようにしています。

miki 確かに。私もフリーランスになりたての頃は、よく家に籠もって仕事をしていたのですが、菜美さんによく外に出なさい、と言われていました。

菜美さんに、TabiMUSEに誘っていただいて、それからライター業を始めて、いろんなライターさんと出会って、いろんなキャリアを積んでいる人の存在を知りました。それが、すごく刺激になりましたね!そこから、私自身も変わっていったと思うので、やはり人との出会いは大切です。そこから人は大きく変わっていくと思います。本当に、誰の話を聞いて、どんな人と出会っていくか、で人生は大きく変わるポイントだな、と思います。最近は、そんな繋がりでお仕事がもらえたり、プロジェクトに繋がっていったりもしました。

菜美さんも人との出会いを通して、よくお仕事に繋がっていますよね。

菜美 そうですね。「お仕事ください」と言っています。

miki さらっと言えるのがいいですよね。普通は、みんな遠慮してしまうと思うんです。何かやっていても、周りにあまり言いたくなくて、こっそり始めるのが好きな人も多いと思うんです。私は、そう言った相談を受けたら、もう言っちゃっていいんじゃないですか、とアドバイスするようにしているのですが。

菜美 そうですね。もう、言っちゃって、敢えて引けない状態にする、というのもひとつの手ですね。

miki 意外と聞いている方も「へぇ〜、それなら何か頼みたいことがあったら紹介するよ」となるパターンもあると思うんです。

Q. 将来、海外を股にかけて仕事をしていきたいが、どんなスキルがいいか?

菜美 海外を跨いで何をやるか、ですよね。あとは、スキルより人とのつながりが大切だと思います。スキルと人とのつながりのバランスですね。フリーランスになろうと思って資格を取ろうとする人が多い印象ですが、資格があったところで仕事が入るというのは、全く関係ないことなので資格より、人とのつながり、人脈が大切だと思います。例えば、プロモーションをやりたいと思っているなら、PRのスキルを身に付けながらも、やっぱりお仕事をいただけるような人だったり、キーマンたちとつながって、きちんと自分のスキルを語って、こういう形でお役に立てます、ということを発信していくことが大事だと思います。

miki そうですね。小さな努力ですが、自分は何者で、どういうことができるかを明確に発信することは大切だと思います。

まとめ

miki かなり幅広くお話を伺うことができました。私自身も菜美さんの起業のストーリーから、菜美さんが今の仕事をどういう風に考えてやっているか、チームをどうやってうまく機能させようとしているかなど勉強になることが多かったです。

大切なことは、自分の好きを知ること、自分がこれから何をやっていきたいか、ということですね。それから、目標達成をするためにチームでどう動いていくか。結局は人なんだな、ということが分かりました。

以前は、全部、オンラインで完結した方が楽しいし、気を遣わないといけないし、いいなと思っていたんですが、今7年ほどフリーランスをやってきて、人とのつながりがどれだけ大切かを実感しつつあります。オンライン時代でも、人とのつながりを築いていけるような発信やWebで出来ることをを心がけていきたいと思います。

あとは、何でも、無理せず、バランスを取りながらやることが大事ですね。起業するにしてもフリーランスにしても、楽しみつつ、自分がエネルギーを持って何を届けていきたいか、どんな生活を変えていきたいか、が大切ですね。

菜美 そうですね。何よりも、行動が大事です。

miki 盛り上がった時に、行動してそれをカタチに変えていく、ということが大切ですよね。

菜美 そうですね。頑張りましょう!

miki 本日は、ありがとうございました。

菜美 ありがとうございました。

編集後記

 対談の中で、何度も登場した「自分を知ること」ことについての大切さ。情報、そして選択肢の多い現代において、行動をとセットで、まず何よりも必要になってくることのひとつではないでしょうか。どういう想いやエネルギーで、何を伝えていきたいか、多種多様な職種がある中で、自分がこれを頑張りたい、と思って打ち込めるものに出合えることは、非常に尊いことだと感じます。それが、言葉にするほど容易ではないからこそ、そこへ辿り着く過程で何度も迷いや悩み、葛藤を繰り返し、試行錯誤を重ねながらも、それでも諦めずに挑戦した人だけが、辿り着ける境地だということを今回お二人が対談の中で身を以て証明されていました。

 自己を俯瞰し、すでに持っている強みやスキルを生かして、社会へ貢献していくこと、また一人では出来ないことにチャレンジするためのチームの形成やその基盤づくりなど、組織化してより一層体勢を強化していくための秘訣など、変化に富むこれからの時代を生き抜くうえで、ますます求められていくであろう重要な内容が凝縮された素晴らしい対談でした。

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