
フリーランスは時間や場所にとらわれずに働くことができ、自分の好きなことや得意を生かして収入を生み出すことができるため、フリーランスを志す方は年々増加傾向にあります。
しかし、フリーランスはこれまで会社がやってくれていた税金の手続きや集客などをすべて自分でやることになるので、実は大変なこともたくさんあります。フリーランスになってからイメージとのギャップに苦しんでしまう方も多いのが現実です。
そこで今回は、駆け出しのフリーランス1年目が早めにやっておくべきことわかりやすく解説します。
目次
退職する前にやるべきこと:クレジットカードやローン組みだけじゃない!貯金をしておくことで精神的な安心に繋がる
まずは、退職する前にしておいた方が良いことについて見ていきましょう。あなたが今会社員であれば、退職前に必ずしておいた方がいいのがクレジットカードの作成とローン組み、そして引っ越しです。
フリーランスになると、収入の波があり社会的な信頼が弱くなってしまいます。そのため、どうしてもクレジットカードの新規作成やマイカーローン、住宅ローンなどの審査が通りづらくなります。たとえ賃貸物件であったとしても、家が借りづらくなるという話はよく聞きます。
フリーランスとして独立後、会社員時代以上の給料を稼いでいたとしてもローンが通らなかった、希望よりも融資の金額が低かったという方もいるので、会社員のうちにクレジットカードやローン組み、引っ越しなどはすませておきましょう。
そして、もう1つやっておいた方がいいことがあります。それは、貯金です。
「え?貯金…?」と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、毎月安定した収入が入ってこないフリーランス生活において貯金は精神的な安定に直結します。特にフリーランス1年目は駆け出しの時期なので、仕事が思うように獲得できなかったり、トラブルに見舞われたりと何がが起こるかわかりません。
そのため、フリーランスとして独立する前に、最低でも半年間は無収入でも生活していける貯金を確保しておいたほうが望ましいです。独立してからすぐに仕事を獲得できたとしても、仕事に取り組んで成果物を納品し、請求書を発行してお金が手元に入ってくるまでの期間を考えると、3~4ヶ月かかることもざらにあります。
減っていく通帳を見ながら生活をするのはメンタル的にも辛く、仕事での焦りやパフォーマンス低下に繋がります。仕事が軌道に乗るまで生活していけるぐらいの貯金を貯めておくことをおすすめします。
退職したらやるべきこと:保険や年金の手続き
フリーランスになったら忘れずにしておきたいのが、税金や保険などの手続きです。
こういった事務的な手続きは面倒くさく感じてしまうかもしれませんが、これまで保険や年金にいくらかかっていたのかを把握したり、税金の仕組みを理解したりするいいきっかけになります。フリーランスとしての第一歩だと思って頑張って乗り越えましょう!
厚生年金から国民年金への切り替え
会社を退職した場合、国民年金への加入手続きが必要です。国民年金の保険料は一律となっており、2020年度の場合は1,6540円です。(国民年金の保険料は毎年変わります。)
国民年金は将来もらえる年金が厚生年金に比べて少ないため、不安な方は「国民年金基金」や「付加年金」などの上乗せ制度を検討してみてください。
会社の健康保険から国民健康保健への切り替え
日本は全ての国民が公的な医療機関保険に加入するよう義務付けられています。
会社員からフリーランスになった場合は会社時代の健康保険を任意継続するか、国民健康保険に加入するのが一般的です。
国民健康保険を割高に感じてしまう方は、文芸美術国民健康保険組合(文美国保)に加入するという手があります。年収300万円以上の人であれば国保より安くなる可能性があります。詳しい金額を知りたい場合は、役所か全国健康保険協会へ問い合わせしてみてくださいね。
フリーランスになったら早めにやるべきこと:事務処理面
フリーランスになったら、すべて自分で行わなくてはならない事務処理面。一見難しく感じるかもしれませんが、ステップを踏んでいけば意外とすんなり進めることができますよ。
開業届と青色申告承認申請書を提出
開業届けは、個人事業主として事業を開始したことを税務署に申告するための書類です。基本は、開業から1ヶ月以内に提出です。まだ事業が軌道に乗っていなくても、出しておくようにしましょう。
開業届と一緒に「青色申告承認申請書」も提出しておきましょう。確定申告には手続きが大変だけどメリットが大きい「青色申告」と、手続きが楽だけどメリットが小さい「白色申告」があります。青色申告であれば65万円の控除を受けることができるので、こちらがおすすめです。
青色申告承認証明書の提出期限は、開業から2ヶ月以内です。開業届と青色申告承認証明書は、管轄の税務署か国税庁のホームページからダウンロードすることができます。また、税務署に直接行って書類を記入することもできます。
請求書などの雛形作成と会計ソフトの契約
クライアントから「請求書をお願いします」と言われた際、「どうやって作って、何を記載すればいいんだっけ…?」と焦らないためにも請求書や見積書のひながたを準備しておきましょう。
オリジナルのひながたをエクセルなどで1から作ってもいいですが、今は便利なサービスもたくさん出ています。
おすすめは、「freee」という会計ソフト。
見積書・請求書のひながたに数字を打ち込んでいくだけで、簡単に発行できます。
freeeは、各種書類の発行だけではなく会計ソフトとしても優秀です。銀行口座やクレジットカードとfreeeを連携をしておけば、明細が自動的に記録されるので入力の手間を省くことができます。
また、煩わしい確定申告書も質問項目に答えていくことで簡単に作成でき、青色申告、白色申告の両方に対応しています。
事業用の銀行口座を作る
個人で口座を持っている方も多いと思いますが、できれば事業用の口座を作っておくのがベストです。事業用の口座には屋号を使うことができるため、クライアントからの信頼性もアップします。
個人の口座と使っていると仕事の振り込みとプライベートの買い物などの情報が混じってしまい、いざ確定申告の準備を進めようと思っても仕分けに時間がかかってしまう可能性があります。
フリーランスになったら早めにやるべきこと:集客面
待っていても仕事が入ってくるフリーランスはほんの一握りです。駆け出しのフリーランス1年目は、営業活動にも力を入れましょう!
営業活動の一歩目!名刺作成
フリーランスにとって、名刺は自分の顔であり、第一印象に影響を与える大切なツールです。
肩書きや名前、電話番号、メールアドレス、ウェブサイトなどの基本情報を盛り込むのはもちろん、自分の色を出して印象に残る名刺を作成しましょう。
オウンドメディアやSNSで積極的に情報発信をする
クライアントからすると、フリーランスは何をしている人なのかが見えづらいということが多々あります。SNSで普段の仕事ぶりや仕事へ取り組む姿勢、人柄などが垣間見えることでクライアントも安心して仕事をお願いしやすくなります。
また、HPやブログなどのオウンドメディアを運用し継続して投稿をすることで、これらがそのままポートフォリオのような役割を果たしてくれます。オウンドメディア経由でクライアントからお仕事をいただけるように内容を充実させていきましょう。
オンラインで仕事を獲得しやすい時代になったからこそ、オフラインが効いてくる
異業種交流や勉強会などのオフラインのイベントに積極的に参加し、自分の存在やスキルをアピールすることも大切です。オンラインで仕事を獲得しやすい時代になってきていますが、人間はやはり直接顔を合わせた人には安心感を抱きやすいもの。イベントに参加することで人脈が広がることもあるので、積極的に参加しましょう。
フリーランスになったら早めにやるべきこと:ビジネス面
ビジネス面のやるべきことは、「自分が今持っているスキルの洗い出しと今後のスキルアップ計画を立てること」です。
フリーランスは自分が持っているスキルが武器となり、収入を生み出していきます。まずは自分が今持っているスキルをすべて書き出していきましょう。次は、こういうスキルを持っておきたいという理想の状態を書き出し、今の自分に足りないスキルを洗い出します。そこまでできたら、足りないスキルを習得するための具体的なアクションプランについて考えていきましょう。
例えば、今あなたはすでにWEBデザインのスキルを持っていて、+αでライティングのスキルを身につけたいとします。その場合、講座を受講して学ぶのか、あるいは書籍やYouTubeなどで独学で学ぶのかなどの方法を検討してみましょう。方法と合わせていつまでにスキルを習得したいのかを期限を設定しておくことも大切です。
人間は楽な方に流れていく生き物なので、「できればこのスキルをみにつけたいな」ぐらいの軽い気持ちでは、なかなかスキル習得にも身が入らないものです。明確なゴールと具体的なアクションを設定し、最短でスキルを身につけましょう。
挫折防止のため、一緒に学ぶ仲間と繋がって情報交換をしたり、zoomを繋いでモクモクと作業をしたりする時間を確保するのもおすすめですよ。
デザイナーやフリーランスを目指す方必見のYouTubeチャンネル「mikimiki webスクール」
今回の記事は、YouTubeチャンネル『mikimiki webスクール』の「フリーランス歴8年のWebデザイナーが思う、フリーランス1年目にやっておいた方がいい事」という動画を一部参考にしています。
WEBデザイナーを目指す方や、フリーランスになりたいけど一歩を踏み出せない方の参考になる動画がたくさんアップされているので、ぜひ見てみてください。
まとめ
今回は、駆け出しのフリーランス1年目が早めにやっておくべきことを解説しました。やることが多く見えますが、1年目は頑張り時です!様々な壁にぶつかりながら経験値を積み、信頼されるwebデザイナーになれるように一緒に頑張っていきましょう。
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