印刷全般に言えることですが、特に冊子印刷は内容の記載ミス(誤植)が許されません。
日本語的な文字抜けはともかく、カタログの販売価格や販売日、参考書の数式などは間違えた時に致命的な影響を及ぼします。
また、冊子印刷は掛かる費用が大きいので安易に再印刷出来ない面があります。
そこで使うのが「正誤表」です。
正誤表ってなに?
正誤表は、印刷物の誤記・誤植とその訂正を示したものです。
エラッタ(errata)とも言われています。
errataは「誤り・誤字・誤植」を意味する単語「erratum」の複数形です。
簡単に言えば、間違った内容と正しい内容を別の紙に印刷したものです。これを該当のページに差し込みます。
正誤表を使うメリット
主なメリットは
- (再印刷より)費用が抑えられる
- (再印刷より)資源の無駄を減らせる
- (訂正シールより)手間が省ける
の3つです。
再印刷するより費用が抑えられる
冊子を再印刷すると納期も費用もかかってしまいます。
納期に余裕がなく短納期で注文しなければならない場合、さらに費用がかさみます。
正誤表を印刷するだけなら冊子を再印刷するよりも費用が抑えられ、短納期での対応も可能になります。
資源の無駄が少ない
誤記・誤植のある印刷物を廃棄することなく使えるので、再印刷と比べ資源の無駄が少なくなります。
あらゆる面において環境への配慮が求められる現在、再印刷は企業イメージに影響を及ぼす可能性さえあります。
訂正シールを貼るより作業が楽
誤記・誤植箇所の上に訂正シールを貼ったほうが、使い勝手が良く見栄えも良くなります。
しかし、1つずつ訂正シールを貼るのは部数や訂正箇所の量によっては対応しきれない場合があります。
正誤表も1冊ずつ差し込みますが、訂正シールを貼るよりはるかに作業が楽になります。
正誤表を使うデメリット
主なデメリットは
- 正誤表を挟み込むのが手間
- 正誤表を紛失してしまう可能性がある
の2つです。
正誤表を挟み込むのが手間
メリットで訂正シールより楽と言いましたが、とはいえ1冊ずつ正誤表を挟み込むのは労力がいる作業です。
正誤表を紛失してしまう可能性がある
一番のデメリットは正誤表の紛失です。
正誤表は冊子に挟んでいるだけの場合が多いので、紛失してしまう可能性があります。古本は正誤表がない状態で販売されていることも多く、そのまま誤記に気づけないこともあります。
正誤表は紛失しやすいので、
- ホームページ
- 次号(定期刊行物の場合)
などでも誤記がある旨を知らせるとよいでしょう。
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正誤表の書き方
正誤表は
- お詫び文
- 誤記のページ数/行
- 誤記
- 正しい記載
を書きます。
誤記が一箇所の例
正誤表
本書〇〇ページにて下記の通り誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
(誤)〇〇
(正)〇〇
誤記が複数ある場合の例
正誤表
本書に下記の通り誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
〇〇頁〇〇行目 (誤)〇〇 →(正)〇〇
〇〇頁〇〇行目 (誤)〇〇 →(正)〇〇
〇〇頁〇〇行目 (誤)〇〇 →(正)〇〇
正誤表を入れる場所
正誤表は誤記の該当ページに入れるのが一般的です。
複数ページにわたって誤記がある場合は、1枚にまとめて巻頭・巻末・目次などわかりやすいページに入れます。
正誤表の紙の厚さ・サイズ
正誤表は冊子より小さいサイズにします。
誤記の量や冊子の大きさにもよりますが、名刺サイズ程度から冊子の半分くらいのサイズ。
本文と同じ仕様
- 紙質
- 文字の大きさ
- フォント
を本文と揃えると冊子を読む人が誤記箇所に貼ったりできて便利です。
実際に目にしたことはありませんが、シールで正誤表を作成して読者自身に誤記箇所に貼っていただけるようにするのも一つの手段かなと思います。
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正誤表以外にもある!誤記の対処方法
正誤表以外にも印刷物の誤記・誤植を訂正する方法があります。
主に
- 再印刷
- 訂正シール
- 次号やホームページに訂正を掲載
正誤表を合わせると4つあります。
再印刷
誤記・誤植がある印刷物を使わず、新しく印刷し直します。
チラシなどのペライチ物やページ数の少ない冊子なら再印刷する場合が多くあります。
しかしページ数の多い冊子では予算やスケジュール的に難しい場合があります。
再印刷のメリット
- 誤記・誤植のない印刷物が作れる
再印刷のデメリット
- 再印刷する分、時間もお金もかかる
- 誤記・誤植がある印刷物を廃棄ため資源の無駄になる
訂正シール
誤記・誤植の部分の上から正しい情報が印刷されたシールを貼り付けて、誤っている部分を隠します。
読みやすくなりますが、1つずつ貼り付ける作業は少し大変です。複数誤植がある場合は更に労力のいる作業になります。
訂正シールのメリット
- 正誤表を使うより読みやすい印刷物になる
- 正誤表のように紛失してしまう心配がない
- 誤記・誤植がある印刷物を活用できる
訂正シールのデメリット
- シールを貼る作業に時間がかかる
- 再印刷するよりは見た目が悪くなる
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次号やホームページに訂正を掲載
定期刊行物は次号で訂正することが多くあります。
スケジュール的に正誤表の準備が間に合わない場合もホームページなどで訂正します。
また、正誤表を使った場合でも正誤表の紛失や見落としを防ぐために、次号やホームページで訂正するとより親切です。
次号やホームページに訂正を掲載のメリット
- スケジュール的に間に合わない場合も後から対応できる
- 費用がほとんどかからない
- 正誤表の紛失にも対応
次号やホームページに訂正を掲載のデメリット
- 印刷物を読んでいるときは誤記を知ることができない
- 次号やホームページを見てもらえない場合もある
さいごに
以上、印刷内容を間違えた時の正誤表の書き方をご紹介しました。
誤記・誤植がないよう印刷する前に十分チェックすることが一番ですが、それでも間違えてしまうことはあります。
正誤表以外にも誤記の対処方法はありますので、予算・スケジュールなどに応じてよりよい対処方法を選んでみてください。
今回の記事が少しでも印刷ライフのお役に立てれば幸いです。
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