印刷豆知識

再生紙以外にも色々ある!環境にやさしい印刷物作り

SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉をよく耳にするようになりました。
テレビや新聞などで聞いたことがあるという方も多いと思います。

チラシやポスターなどの印刷物においても、環境に配慮したものが増えています。「環境に配慮した印刷物」「地球にやさしい印刷物」を作りたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。

「環境にやさしい印刷物」をいうと「再生紙」を思い浮かべる人も少なくないと思います。でも実は再生紙以外にも環境にやさしい印刷物を作ることはできるんです。

そこで今回は「用紙」「インク」「印刷方法」「デザイン」の項目に分けて「環境にやさしい印刷物」を考えていきたいと思います。

予算面で不安に感じる方も多くいるかと思います。「環境に配慮した特殊な紙は高そう」「無料で配布する販促チラシに、高い予算はかけられない」という場合でも、予算に合わせて取り組めるものをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

用紙

再生紙

再生紙は、古紙をリサイクルして作ったリサイクルペーパーです。
古紙だけで作ると白くするためにたくさんの薬剤が必要になり、環境への負担が大きくなってしまいます。そのため、再生パルプ(再生紙から作られたパルプ)にバージンパルプ(木材などから作られた紙の原料)を混ぜて白色度と強度を補っています。

再生紙のメリット

・使用済みの紙資源をリサイクルできる
・木の使用削減になり森林保全につながる

再生紙のデメリット

・通常の紙を作るよりコストがかかる
・紙を白くするためにはより多くの薬剤を使用するため、白さを求めると環境への負担につながる

下記でも再生紙について紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

FSC認証紙

FSC認証紙は、適切に管理された森林から伐採した木材のみを使用した紙です。
森林減少は世界的な問題となっており、持続可能な森林資源を利用したFSC認証紙は大変注目されています。

紙の原料となるパルプ、その原料は木です。原料となる木材の中には、貴重な原生林から伐採されたものが含まれています。
FSC認証紙は製造工程に関わるすべての企業が、FSC認証もしくはCoC認証を受けています。

FSC認証紙のメリット

・管理された木材のみを使用しており、貴重な原生林の保全につながる
・木の伐採から製造まで、すべての工程に関わる企業が認証をうけており信頼できる

FSC認証紙のデメリット

・短納期での対応が難しい

間伐材紙

間伐とは、森林整備のために木が密集した場所を計画的に伐採することです。間伐材紙はこの間伐によって伐採された木材を使用しています。

適度に間伐することによって、木の成長が促されます。また地面に日光が届くようになるため下草が成長し、倒木や土砂崩れを防ぐことにもつながります。

間伐材のほとんどが国産材のため、間伐材紙を使用することは国産材の利用にもつながります。

間伐材紙のメリット

・間伐材の有効活用につながる
・間伐材はほとんどが国産材のため国産材の利用につながる

下記でも間伐材紙について詳しく紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

 

非木材紙

非木材紙はケナフやバガス、竹など木材以外を原料とする紙です。
一般的な紙の原料となる木は、一度伐採してしまうと新たに成長するまでに何十年もかかります。
木よりも成長スビードの早い資源を活用することは、森林保全につながります。

バガスはサトウキビの搾りかすです。砂糖を作るためにでるいわば「ごみ」を有効活用したサステナブルな紙といえます。

非木材紙のメリット

・木材以外を原料とし森林保全につながる
・サトウキビの搾りかすなど、製造工程で排出されるものを有効活用できる

クラフト紙

クラフト紙は漂白していない茶色い紙です。漂白工程は行わないことで、繊維を傷めず高い強度の紙が作れます。

未晒(みざらし)クラフト紙・・・漂白していない紙
半晒(はんざらし)クラフト紙・・・少し漂白した紙

漂白工程がない分、環境への負担が少ない紙といえます。

クラフト紙のメリット

・雰囲気のあるおしゃれな印刷物が作れる。

クラフト紙のデメリット

・色がついているためデザインによっては不向き

非塗工紙

非塗工紙は紙の表面にコーティング剤を塗っていない紙です。上質紙などざらついた紙が非塗工紙です。

一見環境とは関係なさそうですが、コーティング剤を塗る工程が少ない分CO2の排出量が少ないといえます。

非塗工紙は特別に環境に配慮した紙とはいえませんが、クラフト紙と同様、製造工程の少ないシンプルなものは、結果として環境にやさしい紙といえるでしょう。

インク(インキ)

植物油インキ

植物油インキとは、原料の一部を植物油に置き換えたインキ(インク)です。
大豆油やヤシ油、パーム油などの植物油が使われています。以前は「大豆油インキ」「ソイインキ」と呼ばれていましたが、大豆油以外のさまざまな植物油も使用されるようになり「植物油インキ」「ベジタブルインキ」となりました。

ノンVOCインキ

石油系溶剤を使用せず、100%植物油(石油系溶剤の使用を1%に抑えた)で作られたインキ(インク)です。
植物油インキは原料の一部が植物油となっており、石油系溶剤も使用しています。
植物油インキよりもさらに環境にやさしいインキ(インク)といえます。

植物油インキ/ノンVOCインキのデメリット

・コストがかかる
・取り扱っている印刷サイトが少ない
・その場で価格表が見れず、見積もり対応という場合が多い

印刷方法

水なし印刷

通常のオフセット印刷では「湿し水」という、薬剤を含む水を使用します。刷版の印刷しない部分を湿し水で湿らせておくことで、インキ(インク)がつかないようにするのです。

水なし印刷は湿し水を使用しない印刷方法で、有害物質を含む廃液(湿し水)を出さない印刷として注目されています。

水なし印刷のデメリット

・コストがかかる
・取り扱っている印刷サイトが少ない
・その場で価格表が見れず、見積もり対応という場合が多い

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷は小部数から印刷が可能です。必要枚数だけ印刷することは、紙資源の削減につながります。

オフセット印刷は大部数印刷した方が一枚単価が抑えられるため、一度にまとめて多めに印刷しがちです。

オンデマンド印刷で必要枚数だけ印刷し、足りなくなったらまた必要枚数だけ再印刷すれば過剰在庫がなくなります。

オンデマンド印刷のメリット

・紙資源削減につながる
・必要部数だけ印刷することで、コストを抑えることができる

デザイン

デザインを工夫するだけで、環境に配慮した印刷物を作ることもできます。

白地を活かしたシンプルなデザインにする

印刷する面を減らすことで、紙はリサイクルしやすくなります。
再生紙を作る際、古紙のインクを落とさなければなりません。古紙についているインクが少なければ、その分インクの剥離工程が楽になります。

そのため白地を活かしたデザインは、印刷物の使用後を考えた環境に配慮した印刷物といえます。

複数の用途をもつデザイン

チラシなどの販促印刷物は「伝える」という役目を果たしたら「ゴミ」になってしまいます。「伝える」という役目を果たした後も「何かに使える」デザインにすることで有効活用できます。

例えば

チラシ
・インテリアとしても使えるおしゃれなデザイン
・ブックカバーとしても使えるデザイン

カード
・しおりとしても使えるデザイン

さいごに

「用紙」「インク」「印刷方法」「デザイン」の項目に分けて「環境にやさしい印刷物」についてまとめてみました。

特にチラシなどの販促印刷物は、基本的に無料で配布するので1円でも安く抑えたいと考えることも多いでしょう。しかし環境に配慮する印刷物を積極的に取り入れることは、企業PRや商品PRにつながり結果的に販促物のPRにつながります。

印刷物を作る際は、値段や見た目だけでなく

・印刷物がどのような素材でできているか
・印刷物が目的を果たした後どのように使われるか

を少しだけ意識してみてください。

今回の記事が少しでも印刷ライフのお役に立てれば幸いです。

ベストプリントスタッフ

ベストプリントスタッフ。印刷やデザインについて役に立つ情報をご紹介していければと思っています!
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