情報を伝えるために誕生した紙
紙が誕生するまで
- 石板
- 粘土板
- 動物の骨
- 植物の葉
- 羊の皮
- 木簡
- 絹
など様々なものが書写材料として使われていました。
紙はそれらに比べ、かさばらない・薄く持ち運びに便利という点で優れており、2000年前に中国で誕生して以降、世界で最もよく知られる書写材料となりました。
紙とパピルス
今から約5000年前古代エジプト発明された、植物の繊維を縦横に重ねて作る「パピルス」
パピルス(Papyrus)はペーパー(Paper)の語源とも言われています。
パピルスはナイル川沿岸に生育する水草の茎の繊維を縦横に重ねて作られた書写材料です。紙とよく似ていますが「漉く」工程がないので紙ではありません。
紙が普及する以前はエジプトから輸出され世界各地で使われていましたが、紙の普及によりパピルスは生産されなくなりました。
紙の誕生
紀元前2世紀頃、中国で紙が発明されたとされています。このころの紙は書写材料ではなく貴重品を包む梱包材とだったと考えられています。
書写材料としての紙が発明されたのは今から2000年ほど前。
紙が発明される以前、中国では竹簡・木簡(短冊状に切った竹や木の札)や絹帛(けんはく)と呼ばれる絹の布が使われていました。
竹簡・木簡は簡単に手に入る素材ではあるものの、かさばるため持ち運びや保管に向きません。絹帛は薄くて軽いので持ち運びに適していますが、高価なため量産には向かなかったようです。
後漢時代(25年~220年)蔡倫(さいりん)という人が「竹簡・木簡よりもかさばらなず、絹帛よりも安価な書写材料」を作るためこれまでの製紙法を改良し、書写材料に適した紙が誕生しました。
木材パルプの誕生
19世紀後半ヨーロッパで木材からパルプを作る製法が誕生しました。
それまでヨーロッパでは古布や古着を紙の原料にしていました。
紙の需要拡大に伴い、紙の原料で古布や古着が急騰し深刻な社会問題となり、古布以外の原料が求められるようになりました。
1719年、フランスの科学者ルネ・レオミュールは蜂の巣が木からできていることから、木材が紙の原料になると考えました。それから一世紀がたち1840年、ドイツ人のケラーによって木材を機械ですりつぶして作る砕木パルプを発明しました。ケラーによって砕木機が開発したことにより紙を大量に製造できるようになりました。
さいごに
以上、紙の歴史についてご紹介しました。