印刷の誕生
印刷は紙を発明した中国で誕生しました。
印刷の発明は古代中国の四大発明といわれています。
古代中国の四大発明
- 紙
- 印刷
- 火薬
- 羅針盤
紙の歴史についてご紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
中国で誕生した印刷は「木版印刷」でした。木版印刷がいつ誕生したのかはっきりとはわかっていませんが、6世紀ころ飛鳥時代に仏教伝来とともに日本に伝わってきたとされています。
現存する世界最古の印刷物は、日本の法隆寺に保管されている「百万塔陀羅尼(ひゃくまんとうだらに)」です。7世紀ころ奈良時代に作られたといわれています。
木版印刷は仏教の布教とともに発展していきました。
木版印刷の技術はさらに発展し14世紀に中国で、木版の刷活字印が誕生しました。
日本における印刷の歴史
飛鳥時代、仏教とともに印刷技術が日本に伝わりました。
しかしその後、印刷は日本で広く普及することはありませんでした。ごく一部の身分の高い人しか文字を読むことができず、たくさん印刷する必要がなかったためです。
長いあいだ主に貴族や僧たちが仏教書や教典を作るために、印刷が使われていました。
江戸時代に入り、庶民も文字の読み書きができるようにったことで日本の印刷文が動き出します。瓦版(当時の新聞)や引札(当時のチラシ)草双紙(当時の小説本)など多くの印刷物が作られるようになりました。
木版画の浮世絵も人気を博し、日本の印刷文化は大きく発展していきました。
西洋における印刷の歴史
15世紀初期、ヨーロッパに中国の木版印刷の技術が伝わりました。
その後15世紀中期、ドイツの金細工師ヨハネス・グーテンベルクによって金属を使った活版印刷技術が発明されたことで印刷革命が始まりました。
15世紀には、中国から紙の作り方も伝わりドイツに製紙工場が設立されたことも、さらに印刷技術の発展させました。
活字印刷は中国で誕生しましたが、ヨーロッパで発展していきました。
漢字と異なり、アルファベットは26文字と文字数が少ないためヨーロッパの方が活字印刷に向いていたのです。
グーテンベルクが発明した耐久性の高い金属活版の登場により、印刷技術はヨーロッパ各地に急速に広がりました。
ヨーロッパ初の活版印刷書は聖書でした。ヨーロッパにおいても印刷技術は布教とともに発展します。
当時、印刷物の大変は聖書などの宗教書でした。
16世紀の宗教改革などさまざまな変革運動も印刷技術の発展により本の量産が可能になったことが、大きく影響しています。
17世紀初めには紙の原料であるぼろ布の不足が深刻な社会問題となりました。
リトグラフからオフセット印刷の登場
18世紀、ドイツのアロイス・ゼネフェルダーによってリトグラフ(石版画)が発明されました。
リトグラフの登場により低価格・大量生産が可能となり、さらに細かい表現が可能という特徴から絵画やポスターデザインで使われるようになりました。
今もなお世界的な人気を誇るミュシャやロートレックなどポスターデザインの発展もリトグラフの登場があったからこそですね。
「水」と「油」の反発を利用したリトグラフの印刷技術がオフセット印刷の原型となりました。
さいごに
イギリスから始まった産業革命により19世紀には手動型印刷機から蒸気機関の印刷機へ、人力から機械化への流れが加速しました。
以上、印刷の歴史をご紹介しました。